学生時代、スウェーデンに留学していた時。
「街で一番古くて素敵なカフェがあるのよ。」
と友人に連れて行ってもらった場所は、それから私の学生生活では欠かせない時間を過ごす空間になりました。
夕方１８時頃。
学校帰りの学生や仕事帰りの人たちで溢れ、カフェが一番賑わう時間です。
税金が高いせいで外食文化がない北欧では、カフェは友人たちと他愛もないお喋りで過ごす大事な時間。
一日を終えて、友人たちと笑顔で顔を合わせる光景が広がる店内には、幸せな空気で満ち溢れてました。
そんな居心地のよさと、人々が集う社交の場。
美味しいコーヒーだけではなく、寛げる空間で、素敵な出会いがあるかもしれない。
そんな小さな期待が膨らんでしまう、カフェという空間。
「お客様一人一人が、満足して笑顔でいてくれたら」
そんな思いで、飯田市中村に初めて自分のカフェを開いた女性を紹介します。
「若さとパワーで、思い切って挑戦してみました。」
と溌剌とした笑顔で迎えてくれたのが、モーニングカフェ「アヲハト」の店主、北原麻美さんです。
一年前、この物件との出会いが始まりでした。
賃料が安かったことに加え、建物内のスイミングクラブの方々の優しさと、静かな中村の雰囲気が気に入り、すぐに決断。
「これを逃したら、もう他はない！と思ってまだ何も決まっていないところからスタートしました。」
右も左もわからない麻美さんに、飯田で長年営業していた人気の老舗カフェが閉店するという話が聞こえてきました。
早速訪れると、それまで使っていた家具や調理器具を処分するといいます。
話をする中で、新しく開く自分のカフェへの熱意を話すと、譲ってくれることに。
そんな小さな運が度重なって舞い込み、思うよりずっと安く開店費用を抑えられたそうです。
「びっくりするくらい、周りの人が助けてくれました。若い人が何かを始めるから応援しよう、そういう声をたくさん聞いて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。」
もちろん、家族や友人、一緒に時間を過ごすパートナーも、全面協力してくれました。
そうして、無事開店した、モーニングカフェ「アヲハト」。
店内では、明るく気さくな麻美さんが、いつもお客さんとお喋りをしています。
他愛もない世間話から、いろいろ深いお話しまで。
つい心を許してしまう店主がいると、ほっと落ち着きます。
「アヲハト」では、パン屋で修行した、麻美さん手作りのベーグルが楽しめます。
他にも、自家製の玉ねぎドレッシングがとびきり美味しいサラダや、週に一回しか営業しないコーヒー屋さんの豆で挽いた淹れたてのコーヒーなど、オリジナルメニューはどれも美味しくて、私も大満足でした。
お休みの日、お昼時に麻美さんを訪ねました。
麻美さんの手作りランチをご馳走になりながら、話を聞きにと伺ったつもりが、同世代の女子同士、ついつい話が脱線してしまうのは性分ですね。
とても人懐っこくて、どんな話にも興味をもって聞いてくれる麻美さんには、ついつい私が口を開いてばかりでした。
TEL:0265-25-0012
OPEN:モーニング7:00～11:00/ランチ11:00～15:00(L.O14:00)
CLOSE:月、火曜日
Mail:info@aohato.com
