前回ご紹介した、たかどやファームから車で一分程南に車を走らせました。
「森が見えてきたら、その向かい側!」というざっくりした案内をしてもらって不安だったのですが、すぐに森が見えてきました。
「七久里農園」
今回ご紹介する、伊藤さんが営む農園です。
「飯田にI・Uターンした方で、誰か紹介してもらえないでしょうか」
とたかどやファームの宮崎さんにお願いしたところ、とてもいい人がいると紹介して頂きました。
「トマト農家として誰よりも頑張っていて、とてもいい人。この人しかいない。」と、奥様も太鼓判を押してくれました。
伊藤さんは、愛知県出身で、10年前に飯田に越してきました。幼少時代は、蛍とは無縁の都会で育ちましたが、両親の知り合いが農業に携わっていたことから、野菜作りはとても身近でした。飯田に来て初めて蛍をみて、とても感動したそうです。小さい頃は、カブトムシをたくさん採って来ては、家で育てることに夢中になる生粋の虫捕り少年でした。捕るだけでは飽き足らず、採ってきたカブトムシが卵を産んで、またその幼虫を育てることを繰り返していたら、家の中はカブトムシだらけだったと笑顔で話す伊藤さん。今では息子さんがその血をしっかりと継いでいるようで、カブトムシが採れるという地元でも有名な場所へ出かけては、虫捕りに熱中しているそうです。
伊藤さんは、小さい頃から、将来は農業をやると決めていました。
迷うことなく農業学校へ進み、大学では長期休みを利用して、農家に住み込みで働きます。―「最初に住み込みで働いて、次の年も頼んで働かせてもらったんだ。」
大学院では街路樹の木屑を堆肥にする研究に打ち込み、農業法人に就職しました。堆肥を自社生産し、だいこんやとうもろこし、お米を作っていくなかで、独立する為、良い土地がないか探していたそうです。そんな折、飯田市山本に丁度いいハウスを見つけ、奥さんとともにこちらに移り住みました。
トマト農家を始めたきっかけを聞くと、「トマトが大好きだから!」と笑顔な伊藤さん。
―どんなトマトの食べ方が一番美味しいですか?
「もちろん、そのまま!」
―そのままというと、サラダとかですか?
「丸かじりですよ!トマトはそのまま食べるのが一番。」
伊藤さんの食卓には、そのままのトマトが並ぶそうです。息子さんも大好物で、一皿食べてしまうそう。他には、奥さんの作るはねだしのトマトを使ったトマトカレーがとっても美味しいんだとか!
そんなトマト好きなお二人ですが、出会いは大学院生だった学生時代に、トマトを通じて出会ったそうです。奥さんは、旦那さん以上に、無類のトマト好きだそうで、伊藤さんがトマト農家を営む為にこちらへ引っ越すことに大賛成!夫婦二人三脚で農園をされています。
トマト好きな二人が、トマトを通じて出会い、トマトとともに人生を歩む。トマトがこんなにも人の人生を変えてしまう存在とは、トマトがとてつもなく神秘的な存在に見えてしまうのは私だけでしょうか・・・。
さて、七久里農園にはトマトの他にも様々な野菜があります。
ミニトマト、ピーマン、パプリカ、シイタケなど。去年まではイチゴも作っていたそうです。ハウスの外にはヤギがいて、となりの小屋には鶏たちが、賑やかにしています。これだけ野菜を育てている伊藤さんも、近所の人に野菜をもらうそうで、「あなたのところはきゅうり育ててないね」ときゅうりやレタスなどを届けてもらうそうです。
伊藤さんの作るトマトは、主に関東のスーパーに出荷しています。今日はトマトを食べたら、いつもより美味しく食べられるかもしれません!