私が6年通った小学校の校舎は鉄筋コンクリートでしたが、木造校舎にずっと憧れていました。
子供ながらに、木のぬくもりや、触ったときのひんやり冷たい感じに
心が落ち着いたんだと思います。
今やほとんどが廃校となってしまった木造校舎ですが、中に入れる機会が巡ってきました。
観光シーズンの土日で賑わいをみせるのは、数えて42番目となる中山道の宿場町、妻籠。
古い街並みに溶け込んで、あんみつやお蕎麦でお昼のひとときを過ごす人たちを通り過ぎ
観光案内所を上がっていくと、取り壊されずに残っているのが木造校舎の旧妻籠小学校です。
5月も終わり、風鈴の音が心地よいこの時期に、この旧妻籠小学校で開かれた〝なぎのこマルシェ”
「ふるさと」から生まれた素敵なモノ、コト、をみんなで味わい、感じて、つくるをテーマに
地元の地域おこし協力隊の手によって開かれました。
中山道の近くに店を持つかたや、街に住む人々によってワークショップも開かれ、大人も子供も楽しめる素敵なイベントです。
つやのある木の床、窓から差し込む陽の光
すべてが懐かしくて、ほっと肩の力が抜けたような気がします。
学校の廊下を走る子供を見るのも、普段はひやひやするものですが
たたたっという子供が走る足音が、木を伝って聞こえてくるのが妙に心地よくて
廊下を駆け抜ける子供たちの姿がとても微笑ましく思えました。
以前、お話しを聞きに伺った清内路のパン屋さん「ANTON」さんも、出店されていました。
午前中だけであっという間に売れ切れてしまい、急遽追加で運んできたそうです。
他にも、木を使った箸づくりや、家族写真を撮るフォトブースなど
趣向を凝らしたワークショップが目立っていました。
ゆっくり校舎の中を歩いていると、素敵な絵があちこちに飾ってあったのですが
あとから卒業制作の作品だと伺いました。
いまでも、まだ校舎の中をいくつもの歴史が風化せず残っているのですね。
木造校舎が懐かしい、と校内を歩くかたもいらっしゃいました。
ここの小学校出身ではないが、自分の子供のころを思い出したそうです。
人が感じる懐かしい気持ちって、なんだか自分にも伝わりますよね。
そんな素敵な日曜日でした。
「なぎのこマルシェ」
平成28年5月28日、29日
旧妻籠小学校