「ねえマスター、ちょっと聞いてほしいんだけど」
午前中に授業の終わった土曜の昼下がり、再放送の2時間ドラマの喫茶店での光景でした。
一息の癒しを求めて、ちょっとした悩み相談をしている、「お客さんとマスター」
小学生ながらに、なんかかっこいいなあとブラウン管を通して見られる大人の世界でした。
最近では、喫茶店というよりカフェが増えてきたように思います。
おしゃれな外観やメニューで、男性だと入りずらい…そんなイメージもあるかもしれません。
~飯田市 愛宕町~
古い蔵を改装した、カフェATAGO店長の中村優子さんが想う店づくりは、まさに「あのときの、マスターが悩みを聞いてくれるようなお店」かもしれません。
中村さんが初めてコーヒーの文化に触れあったのは、留学先のアメリカ、シアトルのコーヒーショップでした。
そこには、いつも通いつける常連さんでいつも賑わっていて、チェスをしたり、自然と人が集まる中で会話があったり
人々が余暇の時間を愉しむ空間になっていることに、居心地の良さを肌で感じました。
帰国後、偶然にもそのコーヒーショップが日本にもオープンすると聞き、駆け付けました。
スタッフ募集のチラシも、すべてがご縁だったのでしょうね。
早速、そのコーヒーショップで働き始めた中村さんは、当時めまぐるしく変化していたコーヒー文化にどんどん魅了されていきました。
コーヒーの産地や種類、そして当時まだ珍しかったラテアートなど、勉強することばかりの毎日。
朝の一杯を求める常連さんとの会話も、「元気で今日も一日頑張ってもらうために」そんな接客を目指して、会話をとても大事にしていました。
飯田に戻り、カフェATAGOの店長を任された今も、その想いは変わっていません。
シアトルで出会ったコーヒーショップのように、みんなが自然と集まり、コーヒー片手に居心地の良い時間を過ごしてもらいたい。
一緒にカフェを盛り上げるスタッフも、同じ思いを共有していました。
栄養士をしていたスタッフさんのおすすめは、お客様の健康を考えたオリジナルのスムージー。
スタッフさんのやさしさが、こちらにも伝わりますよね。
そして今月、6月19日で2周年を迎えるATAGOさん。
天井には蔵だった当時の面影がまだ残る中、内装はスタッフで壁を塗るなど、できるところは手作業での店づくりでした。
ちょっと隠れ家のイメージもありますが、中では優しくて暖かいスタッフが待っています。
コーヒーを飲みに、それとも優子さんの笑顔を見に?
カフェ ATAGO
長野県 飯田市 愛宕町 2844-2
TEL:0265-48-5602